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今日から2009年10月です。
商人舎「今月の標語」 「だから」を廃し、 「にもかかわらず」を貫け。 ちょっと長いけれど、いかが? 昨日書いた上野光平さんの言葉。 上野さんは、実質的な西友の創業者。 戦後スタートした日本の革新的な小売業。 みな、チェーンストア・システムを採用した。 その論理的な支柱が、上野光平だった。 のちに流通産業研究所所長・理事長を務める。 この新興勢力は、 大半が、オーナー経営者だった。 ダイエーの中内功。 イトーヨーカ堂の伊藤雅俊。 岡田屋、ジャスコ、イオンの岡田卓也。 ニチイの西端行雄。 ユニーの西川俊男。 イズミヤの和田満冶。 ヨークベニマルの大高善雄。 関西スーパーの北野祐次。 しかし西友の上野光平だけは、サラリーマンだった。 オーナーは西武百貨店の社長の堤清二。 西友を上野光平に創業させて、 西武流通グループを構築し、 「西のダイエー、東の西友」と呼ばれた。 その上野光平、しばらくすると、 ダイエー中内からヘッド・ハンティングされかけた。 しかし、中内さんには丁重にお断りした。 サラリーマンを貫いたのだ。 上野さんが、昭和50年代に、ダイエーのトップになっていたら、 日本の商業の歴史は、まったく違うものになっていた。 その上野さん、昭和43年の毎月の社内誌の巻頭言に、 このことを書いた。 「だからの論理」と 「にもかかわらずの論理」が、 ある。 「だからの思考パターン」と 「にもかかわらずの思考パターン」。 「だから、だから」と思い、口にする人。 「にもかかわらず」と考え、行動する人。 私たちの周辺には、どちらもある、どちらもいる。 私自身、どちらにも変わる。 「なになにだから」と言いわけしたくなる。 「……だから」と自分を納得させたくなる。 これを「だからの論理」という。 一方、「なになににもかかわらず」と言ってごらんなさい 「……にもかかわらず」を口癖にしてごらんなさい。 そうすると、自分が全く新しい人間になることができる。 「景気が悪い。だから売上げが上がらない」 「天気が悪い。だから客数が少ない」 「条件が悪い。だから結果が悪い」 「会社が悪い。だから自分は認められない」 「上司が悪い。だから……」 「世間が悪い。だから……」 これを全部、「にもかかわらず」に置き換える。 「にもかかわらずの論理」 「景気が悪い。にもかかわらず、……」 「天気が悪い。にもかかわらず……」 「条件が悪い。にもかかわらず」 「にもかかわらずの論理」から問題解決は生まれる。 「にもかかわらずの論理」からオクシモロンは解決される。 「にもかかわらずの論理」から現状は打開される。 10月に入ったとたん、 「世界恐慌」という言葉まで飛び出した。 政権末期を迎えている米国ジョージ・ブッシュ大統領は、 9月30日、声明を発表。 「アメリカ経済は危機的な局面を迎えている」と。 その根拠は、世界の株式時価総額が20兆ドル目減りしたことにある。 このブログの愛読者には、お分かりと思うが、 世界には、実体経済と貨幣経済がある。 実体経済は全世界の国家と地域の国内総生産を足し算したもの。 それが50兆ドルある。 ちなみに日本の実体経済は、約5兆ドル。 世界の10分の1。 世界の貨幣経済は1年前まで、約150兆ドルだった。 貨幣経済に最も大きく占めるのが、株式時価総額。 それがこの1年で半減した。 すなわち40兆ドルが20兆ドルに。 約2000兆円への半減。 この貨幣経済と実体経済のギャップが、 スタグフレーションの元凶だった。 景気が悪化しているのに、 物価が上昇する。 このアンバランスな経済構造は、 貨幣経済と実体経済のギャップによって生じていた。 従って、株式時価総額の減少は、 実は、スタグフレーションからの脱却には、 効果がある。 ここで、貨幣経済によって儲けていた者が、損をする。 それは、むしろ、正常化への道かもしれない。 私はこの貨幣経済の「異常な膨張」を、 旧約聖書の「バベルの塔」になぞらえた。 神が、人間の暴挙を戒めている。 この時点での最大の問題は、 貨幣経済の破綻が、 実体経済に影響を与えること。 金融関係の企業が、危機に陥ると、 中小企業への融資が激減する。 場合によっては、なくなる。 そして実体経済を担う中小企業が追い込まれると、 実体経済が、縮む。 これが一番困る。 根本の問題は、 社会から「信用」が減ることだ。 ここで、商業の出番。 サービス業の本番。 商業は、「にもかかわらずの論理」で、 この危機を乗り越えなければならない。 「信用」の目減りを防がなくてはいけない。 10月は11月、12月の年末商戦への足場を築くとき。 この10月が、2008年を制する。 「だからの論理」を廃し、 「にもかかわらずの論理」を貫く。 さあ、正念場。 いざ、10月へ。 <結城義晴> [追伸] 9月は30日間しかありませんでした。 にもかかわらず、 このブログへのアクセス数、ページビュー数は、 過去最高を記録しました。 ありがとうございました。 心より、感謝いたします。 PR
ウォルマートが、6年連続最終赤字の西友に、
また決断を下した。 20店の老朽店舗の閉鎖。 350人の早期退職による人員リストラ。 その西友が「東の雄」だったころのこと。 西友ストアー支配人の上野光平さんは、 社内通信に、「今月の言葉」という巻頭文を連載していた。 その中のひとつ。 「だからの論理」の話。 人間は「自分を一番よく知っているのは自分だ」と思っている。 しかし、その逆のことが多い。 「あなたをよく知っていないのはあなたですよ」 こう言ってやらねばならないことが非常に多い、 と上野さんは書く。 自分を客観的に見ることは、難しい。 いわゆる「自己誤解」。 これは、自分の行動を、 自分以外の他のものに原因づける論理によって生じる。 これを上野さんは「だからの論理」という。 すべてを「……だから」で説明して、自分自身を納得させ、 ごまかし、本当の自分の願いを分からなくさせ、 幸せへの途を閉ざしてしまう。 「だからの論理」による自己欺瞞から自己を解放し、 自分の人間らしい幸福をはっきりと見定めるためには、 「にもかかわらずの論理」が唯一の武器だ、という。 「だから」を 「にもかかわらず」に 置き換えてみよ。 上野さんは、こう問いかける。 「景気が悪い。だから、売り上げが上がらない」 これを、置き換える。 「景気が悪い。にもかかわらず」と置き換えると、 「利益は確保できた」となる。 「にもかかわらず」に置き換えると、 そこにはまったく新しい人間像が現れる。 上野さんは、最後に言う。 「人間は、 『にもかかわらずの論理』によってのみ、 人間としての自分を正しく理解できるのであり、 人間としての幸せを得ることができるのです」 「だからの論理」と「にもかかわらずの論理」。 今の西友では、どちらが勝っているのだろう。 さて、昨日は朝から横浜商人舎オフィス。 ニラク人資部統括マネジャー末次秀行さん、来社。 春のUSA研修会に参加してくださった商人舎ファミリー。 PCSA人事部会の改革など、様々な相談。 アイデアがどんどん湧いてくる。 いい感じ。 昼過ぎ、西新宿の伊藤園本社へ。 『食品商業』誌の「夏の大陳コンテスト」審査委員会。 このコンテスト、日本最大・最高のレベルと規模を誇る。 今回は8684店の参加。 企業賞のグランプリは賞金300万円。 店舗賞のグランプリは200万円。 審査の真剣度も、当然ながら、アップする。 審査委員は、 伊藤園代表取締役副社長・本庄大介さん、 同副社長・江島祥仁さん(写真左)、 常務取締役・本庄周介さん(写真右)、 そして『食品商業』編集長・山本恭広さんと私。 ![]() 今回は、ダノンウォーターズオブジャパン?社長が加わった。 ホール・リチャードさん(写真中央)。 ![]() ダノンの日本支社は、エヴィアンとボルビックの会社。 伊藤園の商品ラインナップにエヴィアンが加わった。 それによって、ディスプレーも大きく幅をもった。 当然のように、プレゼンテーションは技術が向上した。 300万円獲得の企業さん、 ここでは書きたいのは山々なれど、書けない。 しかしおめでとう。 200万円獲得の店舗賞の皆さんも、おめでとう。 いい作品でした。 伊藤園本社を後に、横浜にとって返して、 深夜まで、コーネル大学RMPジャパンのシラバス作製。 シラバスとは、講義要綱をまとめたもの。 シラバスづくりも、久しぶりに雑誌づくりの現場を思い出し、 殺気立ってはいるものの、充実感あり。 何事も、根をつめて仕事するのは、楽しいこと。 付き合ってくれたみなさんに感謝。 良い学校をつくります。 日本初の業界内大学です。 明日から、10月。 とうとう、コーネルのスタートにこぎつけた。 「にもかかわらずの論理」によって。 上野さん、ありがとうございます。 <結城義晴>
商業界の社長をしているころ、
イオンビジネススクールで講師を務めました。 「商業界精神を、若い社員に教えてほしい」 こういう要望でした。 喜んで引き受けました。 岡田卓也イオン名誉会長は、 商業界同友会の「エルダー」と呼ばれる長老指導者のおひとりですし、 個人的にも、ずいぶんお世話になっていたからでした。 午前中に、岡田さんがイオンのイデオロギーを語り、 午後に私が商業の精神を説く。 そんな構成でした。 もちろん私は、誰に対しても、同じように、熱く語ります。 超のつく大企業にも、 商店街の小さな店にも。 このとき私は、若いイオンマンたちに聞きました。 「あなたたちのライバルは誰ですか」 きっと、ほとんどの人は頭の中に浮かべたはずです。 「セブン&アイ・ホールディングス」 ちょっと古い頭の人は、 「イトーヨーカ堂」 しかし私は言いました。 「みなさんのライバルは、トヨタです」 私は、「商業の現代化」を標榜しています。 日本の商業は、近代化によって、 ある程度の規模を持つに至った。 その方法論のひとつが、チェーンストア産業の構築であり、 「流通革命」の実現でした。 しかし、近代化とは、そのプロセスにおいて、 忘れ物をしてきてしまうものです。 忘れ物を、取り戻しつつ、現代化を進めねばならない。 だから私は、顧客満足と従業員満足を唱えます。 「言葉にすぎない」と批判されるかもしれない。 しかし、本気で、顧客満足と従業員満足の両立を考え、 実現させる努力をしなければ、 近代化の忘れ物は、取り戻せない。 「欧米列強商業集団」と対等に、あるいはそれ以上に闘う。 それも重要でしょう。 銀座に、ヨーロッパ・ファッションのH&Mがオープンしました。 ユニクロは、立派な闘いをするはずです。 グローバル化の中で、同種のビジネスと、 対等以上に闘う。 これも大切。 同時に、20世紀の日本を支えてきた製造業のトップ企業を、 自らのライバルと設定し、 企業力の内容を高めてゆく。 これも重要です。 だからイオンの若い人たちに、言ったのです。 「あなたたちのライバルはトヨタです」 ただし、日本の商業全体でみると、 「ニッチ」の存在は不可欠です。 ニッチ[Niche]とは、 「最適の地位、最適の仕事」という意味。 「正当に位置づけられたもの」という考え方もできる。 商業の現代化のためには、 国際的な巨大企業とNicheな店との、 どちらもが必要だと、私は思います。 よくあるたとえですが、 野球でも、ホームランを打つ大型打者と、 バントや盗塁が得意なニッチな打者が必要。 両者によって、上手に組まれた打線が強い。 日本のお客様も、同じように、 巨大企業のご利益とニッチ店舗のご利益を、 いつでも、どちらも、 選べることを「豊かさ」と考えています。 それは、自分の生活を振り返ればすぐにわかる。 だから、国際的な巨大企業も必要、 地域局所的なニッチ企業も必要。 それが、「日本商業の現代化」です。 だから、イオンやセブン&アイ・ホールディングスには、 トヨタやパナソニックを凌ぐ企業になってもらいたい。 もちろん、スーパーマーケットでも、 サミットの「レイバー・スケジューリング」は、 トヨタの「カンバン方式」に引けを取らないシステムです。 私は、胸を張って欲しい、と言い続けています。 トヨタが、自動車生産工場として、 世界最高水準の仕組みを作り上げたとしたら、 サミットの生鮮食品のバックヤードは、 世界最高レベルのシステムを持っている。 私は、欲張りです。 日本の商業に対して。 だからウォルマートやテスコに、 十二分に対抗する日本企業となってほしいし、 トヨタや松下、ソニーに匹敵する小売業の評価が欲しい。 同時に、地方の小さな店には、 しっかりした経営の、個性ある企業になってほしい。 これらの企業に共通するのが、「知識商人」だと思います。 ナレッジ・マーチャントです。 私の思い、わかってもらえるでしょうか。 <結城義晴>
おもしろきこともなきよをおもしろく
すみなすものはこころなりけり 高杉晋作の辞世の歌を使って、 1年前の今日、 9月9日9時9分9秒に、 このブログは、 移転・リニューアルオープンしました。 今日は、リニューアルオープン1周年。 「おめでとう」 自分に言ってみる。 「ありがとう」 すべての人に。 感慨は深い。 [徹底とは、 ?詳細に、 ?厳密に、 ?継続すること] 私は、このブログで、 徹底することを実践してみようと考えていました。 [毎日更新宣言]を徹底すると、 病気になれない。 事故にあえない。 泥酔できない。 意識不明になれない。 24時間営業、365日休業無しのコンビニのように。 ふり返ってみると、 この1年、 本当に幸いなことに、 事故にはあわず、 泥酔せず、 意識不明にならず。 3月に1回だけ右目緑内障が悪化し、 二度の大手術を受けましたが、 そのときも計画的に事を進めたおかげで、 ブログは続けられ、 その上、入院前に単行本の原稿が挙がり、 入院中に校正を読むことまで可能となりました。 以前ならば、自分にこんなことが、 出来たかどうか。 私は、書き続け、 それでいて書くものに、 [品質の維持、向上]という信念を反映させていく。 1年前、私はこのように決意を述べています。 品質の維持、向上が成し遂げられたかどうかは、 皆さんのご判断となりますが、 いつも、全力を尽くしてきたことは、 自分が一番よく分かります。 そして変わってきたことも。 リニューアル1周年を記念して、 さらに変わろうと思います。 結城義晴のBlogから、 知識商人のためのポータルサイトへの変身です。 現在、準備中。 もうすぐ、カウントダウンが始まります。 ご期待ください。 もちろん、私は書き続けます。 ブログは、変わらず続けます。 「品質の維持、向上」を徹底しながら。 1年前、私は、以下のように書いています。 病気になれない。 事故にあえない。 泥酔できない。 意識不明になれない。 この緊張感で、続けていきます。 しかし、これを続けると、 結城義晴、 健康になる。 体も、 頭も、 心も。 これを続けると、 日本の小売流通業と、 ホスピタリティビジネスを、 健康にすることが出来るかもしれない。 その体を、 その頭を、 その心を。 すなわち、 日本の小売流通業と、 日本のホスピタリティビジネスの 技術武装に、 理論武装に、 理念武装に、 お役立ちすることが出来るかもしれない。 それが日本の消費社会を、 より良くすることにつながるかもしれない。 この志は、変わりません。 しかし、自ら変わらねばならない。 昨日、民主党代表選挙を無投票で乗り切り、 三選した小沢一郎代表。 2006年4月の党代表就任演説で次の英文を引用しました。 We must change to remain the same. 現状維持のためにも、 自己変革しなければならない。 現状維持などではなく、 現状を否定し、 次のステップに進むためには、 より大胆なイノベーションが求められる。 ?商業界の代表取締役社長を退任し、 ほぼ1年。 コーネル大学RMPジャパンが発足し、 私は副学長に就任しました。 私の志に対しては、 以前よりも、 一直線で進んでいます。 しかしまだまだ、現状に甘んじてはいけない。 現状維持のためにさえ、 自ら、変わらねばならないものなのです。 We must change to remain the same. <結城義晴> |
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